ウェブスター辞典において、「
レガシー(伝説、伝統、遺産)」という単語は、「過去(先祖・先人など)から受け継がれたもの」と定義されています。しかし、一般的には伝説・遺産といえば、世界に永続的な影響を及ぼした個人やチームを思い浮かべるものです。スポーツ界なら、ジャッキー・ロビンソンやモハメド・アリ、マイケル・ジョーダン、ウェイン・グレツキー、タイガー・ウッズ、シモーネ・バイルズ、マイケル・フェルプスなどが好例でしょう。また、1980年の米国男子オリンピック・ホッケー・チーム、1950年代のヤンキース(ブロンクス・ボンバーズ)、2000年以降のニューイングランド・ペイトリオッツなど、一定期間にわたって競技や種目を席巻したり、かつてない偉大な快挙を成し遂げたりしたチームがイメージされます。自らの命が決して永遠ではないことを思うとき、私たちは後に残す伝説や遺産に思いをはせます。
偉大な快挙のといった意味合いに対し、テクノロジー業界においては、他のどの状況においても肯定的なニュアンスを持つ「レガシー」あるいは伝統、伝説という言葉が、否定的なものへと転じるのです。IT業界はなぜ、伝説的なテクノロジーを悪と見なすのでしょう。新しくて魅力的に輝いて見えるだけの何かが、過去のものよりも優れていると信じられてしまうのは一体なぜなのでしょうか。
私はキャリアの初期に、勤務先企業のある部門から別の部門への異動を敢えて選択しました。「テラデータ」に加わったのは、長期にわたって重要なビジネス価値を促進する企業各社にソリューションを提供したいという強い欲求に突き動かされてのことです。1990年代に初めてクライアントを持ってから今日に至るまで、毎年さまざまな形で実ってきた成果により、素晴らしい戦略的パートナーシップが生まれました。10年前には、一生忘れられないカンファレンスがありました。クライアント企業のひとつがプレゼンテーションを行い、テラデータのソリューションを活用していかにサプライチェーンから(米国における事業だけで)10億ドル分以上の在庫を排除し、同時に売り上げを伸ばすことができたのかを発表しました。つまり、実際の収益が増えたのです。また、これとは対照的に、当初有望と見られていた新しいテクノロジーにクライアントが何百万ドルも注ぎ込み、結局想定どおりの成果を得られなかった事例も見てきました。これらの投資は莫大な金額に上ることが多く、企業は損失を埋め合わせて面目を保とうとさらなる資金を投じ続け、最終的には巨額の債務を抱える羽目になっていました。
私が担当したクライアントすべての共通点として注目すべきは、テラデータが提供した高い信頼性とパフォーマンスです。これらを生かしたソリューションは、毎日効果を発揮し続け、何十万件ものクエリーを処理し、企業がサプライチェーンを最適な状態に維持できるようサポートしました。パーソナライゼーション・ソリューションは顧客や会員と効果的なコミュニケーションをとり、数百テラバイトものデータの分析をほぼリアルタイムで実現しました。最初のクライアントが財務状況の変化を徹底的に管理するための支援から、また別の企業が自社の成長に応じてデータ分析インフラストラクチャを(予測可能な形で確実に、かつ他のテクノロジープロバイダが決して達成し得ないほど
大規模に)拡張するためのサポートまで、あらゆる面でテラデータはお客様の成功に大きく貢献しました。
30年以上にわたるこの業界での経験を通じ、「魅力的に輝くニューオブジェクト」とでも呼びたくなるようなものの登場を嫌になるほど見てきました。「より良く、より速く、より安く」事を成し遂げようとし、テラデータにとっては天敵ともみえる存在です。彼らはあらゆるアーキテクチャや料金体系、公約をしつこく売り込みます。多くが現れては消えていきました。その間も、テラデータは依然としてデータ分析の世界で成長し、革新に取り組み、標準を確立しています。テラデータは、常に限界に挑戦します。世界各地で事業を行うお客様はテラデータに対し、絶えず革新を行い顧客がより大きな成功を成し遂げられるようサポートすることを求めています。私たちは設立以来ナンバーワンであり続けてきましたし、
現在もそうです。
リーダーシップ戦略に関するフォーブス誌の記事、「
5 Ways A Legacy-Driven Mindset Will Define Your Leadership(レガシー主導のマインドセットでリーダーシップを形作るための5つのポイント)」において、グレン・ロピス氏は、レガシー(伝統、伝説)が年齢や勤続年数に左右されない旨とその理由を説明しています。同氏は、「レガシー」とは、キャリアの各段階(基盤となる根源的な要素を確立し、成長や革新、事業機会獲得に貢献するための英知をその上に積み重ねるプロセス)における個人の一連の取り組みに他ならないと述べています。
テラデータは、新しい企業ではありません我々にとっての「一連の取り組み」は、素晴らしい人材と素晴らしいテクノロジーを活用し、40年にわたって卓越したビジネス価値を提供してきたことです。テラデータは、「ビッグデータ」がその名で呼ばれるようになる前から、ビッグデータを専門に扱っていました(この社名からもそれは明らかでしょう)。我々は設立以来すべての段階において、さまざまな業界が自らのビジネスを分析・実践するうえで必要とする革新を提供しており、劇的な変化にさらされてもなおそれは変わりませんでした。私のキャリアにおいて、「レガシー」が今ほど重要性を増したことはありません。企業は、新たな現状や新しい製品、新しいサービスなどに注力する必要があります。 今こそ、その「レガシー」を有効活用すべきです。
テラデータの
ソリューションは、数百テラバイト、数ペタバイトものデータを分析している世界最大級のグローバル組織各社のビジネス要件を水面下でサポートできるだけのパフォーマンスを備えており、確実に動作するその信頼性の高さゆえ、SLAに関してテクノロジー・チームの頭を悩ませることもありません。一貫した形で提供されるため安心しで利用でき、あらゆるリスクも排除しています。「レガシー」とは、世間での評価そのものです。データ分析の分野においては、私は今後も、目新しさで注目を集めている技術より、40年に及ぶ成果の実現と革新の威力を信じ続けます。